「あはれの天才」?ミステリアス女流作家紫式部!

みなさんこんにちは。今年もはや一ヶ月が経とうとしています。
なんか年々加速してる…!怖い…!

突然ですが、今年の大河ドラマの主人公といえば…?
そう!紫式部です!
今年のNHK大河ドラマは「光る君へ」。
世界最古の長編小説『源氏物語』をまとめ上げた女流作家の半生を描く作品です。
主演を務めるのは吉高由里子さん。実は2008年大河ドラマ「篤姫」にも出演されていたとか。
知らなかった…。子どものときはまじめに大河ドラマなんて見ていませんでしたので…。

本作品で紫式部は「まひろ」という名前を与えられています。
当時の慣例として、女性が本名や素顔を明かすことは珍しく、清少納言、和泉式部をはじめ、通称が語り継がれているというのはみなさん国語の時間に習ったことでしょう。
高貴な色である「紫」の名を冠したミステリアスな天才作家。
その魅力的な肩書は当時の貴族たちを熱狂させたことでしょう。

『源氏物語』の魅力についてはいまさら言うまでもありません。
古文の時間には読むのが憂鬱だったみなさまも、時間にゆとりのある今なら楽しめるかもしれませんよ。
ぜひ当店でお買い求めください!!!多分あったと思います!!!
現在当店では『光る君へ』にちなんだ特設コーナーを設置しています。
ぜひご来店を!

という事で今回は「眠れないほどおもしろい」シリーズから
『眠れないほどおもしろい紫式部日記』のお話をしたいと思います。
紫式部日記とは紫式部本人が中宮彰子に仕えていた際の日常を記したもの。
恥ずかしながらそんな文献があるとは知りませんでした。

日記の中でも重きを置かれているのが、中宮彰子の出産に関してです。
彰子は時の権力者である藤原道長の娘で、当時の天皇、一条天皇に嫁いでいました。
当時、母方の祖父の影響力は大変高かったとされています。
もし一条天皇と彰子の間に東宮、つまり次代の天皇が誕生すれば、道長は権力をほしいままにできる、と考えていたのですね。
現代の感覚でいうとあまり気分のいい話ではありませんが、当時の貴族たちも必死なのです…。
道長は末っ子という事もあり、兄たちよりも自分が、という思いは人一倍強かったのかもしれません。

何はともあれ、そんな大切な出産を控えた娘のそばに、稀代の天才紫式部が仕えていたとなれば、道長もその記録を残すよう命じるのは自然なことのように思います。
今のように携帯電話やインターネットのない時代。喜ばしいことがあれば、書面に残すしかなかった時代。
今とは文才の価値がまるで異なっていたのかもしれませんね。

日記の中では、彰子の出産以外に宮中で人間関係に悩む紫式部の苦悩も吐露されています。
どうやら紫式部はあまり女性ばかりの社会になじめなかった様子。
女性の美しさを多彩な表現で描いた紫式部の意外な一面ですね。
また一流の歌人として知られる紫式部。本書では彼女の短歌もたくさん解説されています。
当時の人が短歌を詠みたくなるようなタイミングとは現代ではどんな時なんでしょうね。
SNSと同じ感覚でしょうか?

またこの本では和泉式部の視点で紫式部日記を解説している設定になっています。
著者は板野博行先生。
男性が女性である和泉式部の設定で解説を進めるというのは、まるで紀貫之の土佐日記の様で個人的にツボでした。

 

大河ドラマが始まると、しっかり新年を迎えた!という気持ちになりますね。
ちなみに私は今年、年男兼本厄。どっちかにせえよ。
とにかく私もせっかくこのようにブログを書くご縁もいただいていることですし、今年はより一層文字やことばを大切にする年にしたいと思います!
それでは本年も何卒よろしくお願い申し上げます!

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