会話という営み 『会話を哲学する』三木那由他

みなさんこんにちは。
本日は初めて新書を紹介したいと思います。

今回ご紹介するのはこちら。『会話を哲学する』です。
見ていただければわかる通り、帯に惹かれて手に取りました。たしかにあたるは「好きだ」と口にすることは結局ないですよね。

本書では一般的に「会話」という言葉からイメージされるものではなく、異なる定義を用いています。
発言者がバケツに水を入れて、それを相手に手渡し、聞き手はその水をすくいとる。
一般的には会話はこのようなバケツリレー方式として認識されています。
しかし本書では会話は発言者と聞き手がともに「約束事」を形成する営みのことを会話としています。
例えば
A「明日ご飯に行こうよ」
B「明日はアルバイトがあるからいけないんだ」
というやり取りがあったとき、「Bさんはアルバイトがあるので明日はごはんに行くことができないこと」が二人の間で、約束事になっていることが分かります。
私の説明ではわかりにくいと思うのでとにかく実際に読んでみてください。

私はもともと映画、小説など様々なエンタメが好きです。
そんな中で名台詞、名言というものはたびたびファンの間で熱く語られ、議論の対象になります。
皆さんも心に残るセリフなどいくつか思いつくことでしょう。本書では様々な作品から引用して「会話」という営みをカテゴライズしているので、言葉の意味以上にどのような意図が無意識化に隠れているのかを見ることができます。

みなさんもエンタメの新たな楽しみ方「会話」に着目する見方を始めてみませんか?

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