皆さんこんにちは。
本日は彩瀬まるさんの「桜の下で待っている』をご紹介します。
様々な目的地を目指して東北新幹線を利用する乗客の一人一人に焦点を当てた短編集です!
彩瀬さんの作品は初読でしたが、触感のある柔らかな文体が印象的でした。
私はつい三ヶ月ほど前にまさに東北新幹線を利用して盛岡から宇都宮までを縦断する旅行をしてきました。
ずっと西日本を出ることのなかった私ですが、初めて見る東北の景色は…意外と変わらないなと思いました…!
それでも東北の方の温かみ、豊かな食文化など一面ではありますが、東北の魅力というのを実感できました。
ゆかいな仲間たちと常時ほろ酔い旅、みなさんもぜひ。我々は観光よりなによりごはんです!
レンタカーでなく、電車やバスでの移動も風情がありますよ。
私がこんな体験をしている裏で、同じ場所でこの短編集のように
結婚相手の家にあいさつに向かう人、なかなか会えない祖母に会いに行く人が乗り合わせていたのかなと思うと、月並みながら事情は人それぞれだなと感じます。
もしかしたら初めて見る東北の景色に浮かれる私たちとは裏腹に、苦い思い出を抱えて故郷に帰る人もいたのかもしれません。
どこでも必ず誰かのふるさと。そう思うと旅行中特別な気持ちになれますよね。自分がこの町に生まれていたらどんな感じだったのかな、とか。
いつも本は他人の人生の疑似体験と言っている私ですが、本書は私の人生も短編集であるかのように感じることが出来ました。
また作中、東北で不思議な体験をする子供の話が出てきます。これもリアルに感じる描写で印象的でした。
というのも、オカルト的というか不思議な体験をした人は必ずと言っていいほど子供の時の体験を口にしませんか?
残念ながら私には特にそんな経験はありませんが、子供の方が第六感が強いのかもと思ったことは何度もあります。
皆さんも読めば忘れていた幼き日の体験が思い出されるかも…?
私の旅行記も挟まってしまいましたが、自身の人生も投影できる心温まる短編集。
あなたが思い出す風景はどんなものでしょう?